今回、明らかになったのは化血研が40年前から行なわれている製造に不正が判明しました。2015年9月には、インフルエンザワクチンの製造工程で国が指定する製造方法とは違う方法で作られていたことから出荷差止めになっていました。
でも、インフルエンザワクチンの値上げと不足になる懸念から、厚生労働省は出荷を許可した経緯がありました。
化血研の行なった不正
- 血液製剤やワクチンの精製途中で抗凝固剤を無断で添加
- 承認書の記載と異なる溶液を使用
- 承認書にない手順で効果を測る試験を実施
- 虚偽の製造記録を作成し、国の調査に提示した
- 偽の記録に紫外線を当てて古さを出して作成時期を偽った
故意にしているとしか言えない内容です。そして、それらの危険性については化血研は、「危険性は無い」「安全性に問題は無い」と記者会見で言っていましたが、なぜそれが安全だと言えるのかという問いには答えられず、絶句していた。
それは、そうですよね。検証結果も偽っているのだから、安全性なんか確認されていないですよね、きっと。
こんな記者会見を見た医療機関、国民は不安以外のなにものでもありません。
これが化血研の企業文化なのでしょうか?
今回、化血研で不正が行なわれていることをリークしたのは内部告発です。記者会見では社長も知っていたと見られ、会社ぐるみで隠蔽していたことが明らかです。
間違っていることを、正すことができない企業文化は何なんだろう!おそらくは化血研の社員・関係者は化血研で製造したワクチンや血液製剤などは使わないなんてことを思っていたのではないでしょうか。
化血研が製造するワクチンや血液製剤のシェアは高く、殿様商売をしてきたことが、人の安全より、企業の利益を優先する結果につながったのではないでしょうか。
厚生労働省の安全性の根拠も疑問!
化血研が製造する血液製剤とインフルエンザワクチンについてはニュースでも報道されたように、2015年6月に血液製剤、9月にインフルエンザワクチンの出荷自粛がありました。
ただ、不足が予想されたことから、厚生労働省は「安全性に大きな問題はない」として出荷自粛を解除した経緯があります。
さて、厚生労働省がいう安全性に大きな問題がないという根拠はどこにあったのでしょうか。足りないから出荷を許可するというスタンスでは国の機能としては意味がありません。
国が安全性に問題が無いと判断した根拠も明確にしてほしいと一個人としては思いますし、厚生労働省の安全性や品質を調べる国家検定にも大きな問題がありそうです。