アスペルガー症候群の程度や症状の現れ方が異なるため、診断するのはとても難しく、会話や行動観察、両親との話などを総合して判断されることになります。
そこで、アスペルガー症候群の診断基準としてよく使われている「国際的判断基準」がありますので紹介します。
アスペルガー症候群の診断基準
アスペルガー症候群の大きな特徴は、コミュニケーションを取ることが上手ではないということです。
- 視線を合わせて会話が出来るか
- 表情は適切か、またはあるか
- 身振り・手振りは適切か
- 友達との関係は良好か
- 相手の感情を理解して話をしているか
などの傾向が強く、診断の際にも重要視されます。
本人だけではなく、家族からも普段の生活の様子や状況を聞きます。1回で判断することは少なく、複数回受診して診断されることが多いです。
アスペルガー症候群の診断方法
アスペルガー症候群の診断基準によく用いられている「DSM-Ⅳ-TR」という診断テストを紹介します。
社会性に関すること(次のうち2つ以上該当)
- 友達と相互に関わる能力に欠ける
- 友達と相互に関わろうとする意欲に欠ける
- 社会的シグナルの理解に欠ける
- 社会的・感情的に適切さを欠く行動
興味・関心の狭さ(次のうち1つ以上該当)
- ほかの活動を受けつけない
- 固執を繰り返す
- 固定的で無目的な傾向
反復的な決まり(次のうち1つ以上該当)
- 自分に対して、生活上で
- 他人に対して
話し言葉と言語の特質(次のうち3つ以上該当)
- 発達の遅れ
- 表面的にはよく熟達した表出言語
- 形式的で、細かなことにこだわる言語表現
- 韻律の奇妙さ、独特な声の調子
- 表面的、暗示的な意味の取り違えなどの理解の悪さ
非言語コミュニケーションの問題(次のうち1つ以上該当)
- 身振りの使用が少ない
- ボディランゲージのぎこちなさ
- 表情が乏しい
- 表情が適切でない
- 視線が奇妙、よそよそしい
運動の不器用さ(次のうち1つ以上該当)
- 神経発達の検査成績が低い
以上のように、各項目で該当数以上ある場合には、アスペルガー症候群の可能性があるかも知れませんので、心配なときにはお子さまなら精神科または小児科、大人なら精神科に相談するといいです。