頭痛は誰にでも起こる症状ですが、4人に1人は頭痛持ちで痛みに悩まされています。頭痛だけの症状であれば問題ありませんが、他の病気が原因で引き起こされる二次性頭痛だと、命も危険な状態になる可能性があります。
一次性頭痛と二次性頭痛の違いについてお伝えします。
頭痛の診断には国際基準がある
頭痛の診断基準使われる「国際頭痛分類」というものがあります。これは、国際頭痛学会が研究結果をまとめたもので、頭痛の基準診断に使われています。
頭痛と一言に言っても、起こる頻度、持続時間、そしてその原因などによってその種類は分けられます。偏頭痛や緊張型頭痛など他の疾患と全く関係なく起こる頭痛を一次性頭痛と言います。また、他の疾患により引き起こされる頭痛は二次性頭痛と言います。
頭痛は、一次性頭痛と二次性頭痛に分類されていますので、それぞれについて症状を確認しましょう。
一次性頭痛の症状
一次性頭痛とは、他の病気を発症していない頭痛のことです。一次性頭痛とされるのは、片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛およびその他の三叉神経・自律神経性頭痛・その他の一次性頭痛です。その中の片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛について紹介します。
片頭痛
月数回ほどの頻度で発生し、痛み方は頭の片側または両側がズキンズキンと脈打つように痛みます。頭痛に伴い、匂いや光や音など五感も敏感になる傾向があります。光や音に敏感になっているときに動き回ると余計に痛みがひどくなることがありますので、片頭痛が起きた際には、じっとして落ち着くのを待つ方がいいです。
詳細については、「 片頭痛の症状と特徴 」をご覧ください。
緊張型頭痛
別名をストレス頭痛といいます。片頭痛と違い、鈍い痛みが数日から数週間続きます。この頭痛は身体的ストレスや精神的ストレスにより引き起こされることが多く、一次性頭痛の中で一番多いとされています。長時間同じ作業をするようなパソコン作業や事務作業による肩や首の凝り、眼精疲労、ストレスが原因のひとつとなります。
詳細については、「 緊張型頭痛の症状と特徴 」をご覧ください。
群発頭痛
眼窩周辺から側頭部がキリキリと痛み、毎日同じ時間帯に起こりやすいです。頭痛と共に目の充血や鼻汁、鼻詰まりなど自律神経症状が出ます。これは目の奥の内頸動脈の炎症によって引き起こされています。アルコールや喫煙によって誘発されるので、群発期には控えるようにします。
詳細については、「 群発頭痛の症状と特徴 」をご覧ください。
二次性頭痛の症状
二次性頭痛とは、頭痛以外の何らかの疾患により引き起こされる頭痛のことを言います。そしてその場合、重症なものは命の危険もあるので注意が必要です。
頭痛を引き起こす代表的な疾患には脳梗塞、くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎、脳出血、高血圧などがあります。また、頭部外傷によるもの、薬剤の使用過多によるもの(薬物乱用頭痛)、精神疾患によるもの(心身症)もあります。
クモ膜下出血
突然に起こる激しい頭痛が特徴です。バットで殴られたような激しい頭痛・嘔吐・けいれん・意識障害などが突然起こるのが基本的な症状です。出血量が少ないと意識障害が無いことがありますが、首筋の痛みや頭全体の痛み、嘔吐が続くことがあります。
脳出血
脳の一部の血管が破れ、脳内に血液が出てしまうのが脳出血です。動脈の破れたところは自然にふさがり、血管からの出血は止まりますが、出た血液がかたまり血腫ができ脳を圧迫したりすることで頭痛や手足のしびれ、言語障害などの神経症状が現れます。
脳腫瘍
頭蓋内に腫瘍ができることを脳腫瘍といいます。症状として圧迫感のある頭の痛みが発生し、嘔吐や呼吸・意識障害も引き起こします。これは、腫瘍ができる場所によっても症状の現れ方が違います。
髄膜炎
脳と脊髄を包んでいる髄膜が細菌やウイルスなどに感染して発症します。熱が出て、激しい頭痛、吐き気・嘔吐があります。首の後ろが硬直する症状があり、けいれんや意識低下が起こることがあります。
次のような頭の痛みを感じたら、二次性頭痛の可能性があります。
バットで殴られたような激しい痛み
頭痛がしたと思ったら意識を失う
高血圧の人の頭痛・しびれ・めまい・意識障害など
頭痛がし始めてから物忘れが多くなった
発熱・頭痛・吐き気・嘔吐・首の硬直・痙攣・意識低下など
痙攣と一緒に頭痛がする
まとめ
一次性頭痛に比べて、二次性頭痛のほうが危険度が高い症状だということが分かります。二次性頭痛という分類にしていますが、頭痛が起こる症状は様々です。一次性頭痛の痛み方とは異なります。
今まで経験したことの無いくらい酷い突然の頭痛や、いつもと違う頭の痛みを感じたら、それは二次性頭痛の可能性があります。また、起きる頻度や痛みの程度がだんだん酷くなっていく頭痛もありますし、頭痛と共に発熱や硬直といった症状が出る場合もあります。
ガンや免疫不全を持っている方、神経脱落症状を持っている方、精神疾患を持っている方の頭痛もこの頭痛の可能性があります。このように、二次性頭痛はその原因によって現れ方が異なります。原因によっては命の危険が大きいので、いつもと違う頭痛を感じたら早めに医師の診察を受けるようにしましょう。