暑い夏を快適に過ごすのに欠かせないのがエアコンです。部屋やオフィスなどの室内にいるとき、ただ快適に過ごすためだけにエアコンの冷房機能を使っていると思いますが、もっと快適にエアコンを使いこなすための情報があります。体調と環境に応じてエアコンを上手にコントロールすることがコツになります。暑い夏を快適に過ごすためのエアコン活用法を8つお伝えします。
目次
冷房設定温度は何度が最適?
エアコンの温度設定に関して、電力会社や環境省が推奨している温度は28度ですが、必ずしも設定温度が28度が良いとは言い難いです。
人が快適だと感じる温度は25度で、31度を超えると汗をかいても体温調整ができなくなり不快感を覚えます。ということで、人が快適に過ごせる温度は25度~31度の間になります。設定温度を決めるのに一番涼しい25度でいいということにはできません。外の気温と室内の気温差が5度以上になると、外出したときに身体が重いとかだるさを感じる原因になります。そのため、設定温度の目安として外気温との差をマイナス5度以下にして、設定温度を25度~31度の範囲内にすることが最適な温度設定になります。
電力会社や環境省が推奨しているエアコンの温度設定28度が必ずしも良いということではありません。猛暑が続くと外気温が38度とか、とても暑い日のことがあります。そんなとき、マイナス5度だと33度の冷房設定温度になりますが、31度以上だと快適に過ごすことができません。気温差が激しいと倦怠感につながりやすいので、推奨されている28度を目処に室内温度の調整をするといいです。
外気温 | 冷房設定温度 |
---|---|
26~30℃ | 25~28℃ |
31℃ | 26~29℃ |
32℃ | 27~31℃ |
33~40℃ | 28~31℃ |
冷房を付けたまま寝ると翌日だるいのはなぜ?
熱帯夜が続き、暑さで眠れないからクーラーを付けっぱなしっで寝ることがあります。冷房を付けっぱなしで寝た翌朝にだるさを感じる原因は「乾燥」と「直風」です。クーラーの風が直接身体に当たっていると血管が収縮して血流が悪くなることでだるさを感じます。また、除湿機能で一晩を過ごすことも危険で、気道や皮膚から自然に蒸発してしまい就寝している間にも脱水になっています。
翌日の体調不良を招かないためには、
・クーラーの冷たい風が直接身体に当たらないようにする
・睡眠時はタイマーをつけて自動オフを設定する
ことで対策することができます。
タイマーは1時間30分または3時間で切れるように設定しておくといいです。これは、睡眠の深さであるレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを活用した設定時間で、眠りの浅い時間帯に冷房が切れるようにしておくことで快適に眠ることができ、暑さや寝苦しさで目が覚めるのを防いでくれます。
エアコンの冷房・除湿・送風の違いって何?
エアコンには冷房と除湿と送風の3つの機能があります。
冷房・・・設定した温度になるように、部屋の温度を下げることが目的で、部屋の除湿も快適な50~60%にしてくれます。
除湿・・・湿気が多くなる梅雨時期や雨の日、湿った空気の日に使うといいです。除湿は弱冷房、身体に優しい冷房と考えておくといいです。
送風・・・部屋の空気を循環させる役割があり扇風機と同じ働きがあります。直接風を身体に当てることで体感温度を下げる冷却効果があります。
エアコンの冷房効果を高めるコツ
室内にいても暑くて、外の気温が30℃を越える日々が続くような夏は、エアコンの冷房性能を活用しないと部屋にいても脱水症状を起こし、熱中症になることもあります。冷房を快適に使うためのコツを知っておくといいです。
冷房を使用する前に遮光カーテンやブラインドをして室内に入る熱を遮断してからエアコンを付けます。冷たい空気は下に溜まりやすいので風向きの変わるスイング機能を使ったり、扇風機を上向きにして冷たい空気を上に循環させて部屋全体を均一の温度にすることが重要です。
部屋の空気を循環させておかないと、部屋の上のほうと下のほうでは温度差が生じてしまい、床のほうが寒く、足先が冷えるのに身体の体温が下がらずに熱ぽかったり、のぼせたようなボーッとした感じになってしまい、熱中症を引き起こす原因になってしまいます。
男女の間で快適に感じる温度が違う?
オフィスでも部屋でも、エアコンの冷房の温度設定について男女間での意見の違いが発生することがあります。男性は暑くから温度を下げたいけど、女性は寒いから温度を上げたいというところで陰口を言い合うようなことがあります。
上記のグラフは、男女間における体感温度の違いを測定した数値をグラフ化したものです。男性は25℃を過ぎると快適な温度と感じるのに対して、26~27℃になると不快感を感じていますが、このとき女性は、快適な温度だと感じています。1℃温度が変わるだけで男女間での温度の感じ方が変わることが分かります。このことから分かるように、男性は体感温度が1℃高く、女性は1℃低いことが言えます。
女性は筋肉量が少なく基礎代謝が低いため、暑さを感じにくいというのが男女間での快適な温度の違いに影響しています。女性は上着を1枚着たりして温度調整ができるようにする必要がありますし、男性は女性が快適だと思う温度に慣れることが必要です。
エアコンを最低温度にして冷やすのは効果が無い?
外から帰ってきて室内に入ると蒸し暑くてたまらないという経験があると思います。室内の温度を下げるために冷房の温度を最低にして部屋のモワ~ンとした暑さを下げようとしますが、この冷房の温度を最低にしたからといって、急激に部屋の温度が下がるというわけではありません。
冷房の仕組みは、部屋の温かい空気を取り込んで熱交換器で冷却し、冷気を出すことで部屋の温度を下げていきます。多くの人が、設定温度を25度にすると25度の冷気が出て、18度に設定したら18度の冷気が出ると思っていますが、エアコンから出る冷気の温度は10度程です。設定温度を何度に設定しようと変わらず、最低温度にしたからといって早く部屋が冷えるということはありません。
部屋を早く冷やしたい人は、設定温度を下げるのではなく風量を強にしたり、扇風機で室内の空気を循環させることで体感温度を下げる効果があります。
部屋での過ごし方!冷房強めで長袖派?冷房弱めで半袖派?
身体の体温調整の方法は2つしかありません。
・発汗や血流で調整する自律性
・衣類を脱ぎ着する行動性
暑さに強い身体づくりをするのであれば、自律性機能を鍛える必要があります。鍛える方法は、暑い環境に行って汗をかいたり、運動して汗をかくことをして、体温調整機能を日頃から使うことで鍛えられます。体温調整を自分でするためにも、冷房を弱めて半袖で過ごすことが夏バテ予防にもなります。
冷房は苦手…冷感グッズで冷やすのは効果あり?
冷房の風が苦手だという人も多いです。冷えすぎるからという人もいれば、鼻炎の症状が出たりするからと敬遠する人もいます。そんな人達がよく使うのが冷感グッズや冷たい飲み物です。冷感グッズは局部的な場所だけを冷やす効果はあります。冷たい飲み物は清涼感や体温が下がったように感じますが、胃腸を冷やすため、食欲が衰えたりして夏バテの原因にもなります。
局部的に冷やす効果はあっても体温を下げる効果は低いため、それに頼ることは良くありません。一時的に冷感を得るアイテムとして使うといいです。冷房が苦手な人は暑い環境に順応することで夏バテや熱中症になりにくくなります。日頃から軽い運動をして汗をかいて体温調整ができるように自律神経を使うようにするといいです。
まとめ
部屋にいても夏バテ・熱中症になることがあります。部屋の温度や湿度を調整するのにエアコンの冷房機能は、過ごしやすい環境を作るのに便利な家電です。それが故に、エアコンに頼りすぎてしまい、夏でも冷え性になってしまっていたり、汗腺が閉じたままになり、暑い夏でも汗をかけない人も増え、夏バテや熱中症になる人が増えてもいます。
夏の時期に外に出ると貧血を起こしたり、体調を崩しやすかったり、めまいが頻繁に起こったりするのは体温調整が上手く出来ていないために起こることでもあります。少しずつ身体が夏の暑さに慣れるように軽い運動を夏に入る前からしておくと症状の改善が見られます。
その上で、エアコンを有効活用することが効果的な活用法だと言えます。