便の硬さを決めるのは水分量です。理想的な正常な便に含まれる水分量は約80%で、それよりも少ないと硬い便になりますし、多いと柔らかい便になります。便秘のときや便が硬いときには水分を摂りなさいと言われたことがあると思いますが、これはその通りで1日に飲む水分量によって便に含まれる水分量が変わります。正常な便の硬さにするために必要な水分量・上手な水分の摂取方法・必ず飲みたい朝の1杯についてお伝えします。
正常な便の硬さにするために必要な水分量
人間の体には水分は必要不可欠なものです。人間の体の約60%は水分で出来ています。食事や飲み物で摂取した水分は、胃液などの消化液と一緒になって1日に9リットルの水分が小腸に流れ(体重50kgの方の場合)、そのうちの約7リットルの水分を栄養素と一緒に吸収し、残りの2リットルが大腸へと流れていきます。大腸に流れる水分には食物繊維も混ざっていて、水分や電解質が吸収されて食べかす・腸内細菌・粘膜だけが集められて固まりとなったものが便として出てきます。
私たちの体の中では1日に9リットルもの水分が分泌されていますが、このうち便に含まれる水分量はたったの100mlです。このわずかな水分が多いと下痢になりますし、不足すると硬い便になり便秘になります。この微妙な水分量で便の硬さは決まっています。
では、1日どれだけの水分量を摂取すると良いのでしょうか?
1日の水分摂取量の目安があります。「体重×0.04(リットル)」の水分量が必要になります。
体重 | 1日の水分量 の目安 |
---|---|
40kg | 1.6L |
50kg | 2.0L |
60kg | 2.4L |
70kg | 2.8L |
80kg | 3.2L |
この水分量は通常の生活において、水分を維持するのに必要な量なので運動をしている方は、これ以上に水分を飲むことが必要になります。1日に9リットルの水分が小腸に流れているうちの2リットルは口から食べたり飲んだりした水分になり、消化液などから分泌される水分量は約7リットルになります。
上手な水分の摂取方法
私たちの体の水分は、汗・唾液・尿・便・呼吸によって1日に約2リットルの水分を使っています。そのため、食べ物や飲み物などで水分を補う必要があります。食事のときのスープや味噌汁で水分補給するのもいいですが、食事で水分を補うことができる量は約500mlで、残りの1500mlは飲み物で補うことが必要だと入われています。
喉が乾いて水やジュース・炭酸水などを一気に飲むことがありますが、一気にたくさんの水分を飲んでも小腸などで吸収されずに尿として排出されてしまいますので1回100ml~200mlを目安に飲み、こまめに飲むことがコツです。
食事をするときは、食べ物と一緒に水を飲むと食べ物と一緒に腸まで届きやすくなりやすいですが、食事以外のときに飲む水は尿になって排出されてしまうことが多いようです。では、食事以外で水分を飲むときはどうしたらいいのかというと水よりも濃度の高いスポーツドリンクや牛乳、麦茶・野菜ジュース・果汁ジュース・スープなどを飲むことで小腸や大腸に水分を運ぶことができます。
1日に2リットルの水分を飲むのは大変だと思うかも知れませんが、家にあるコップ(200ml)で10杯分です。寝起きに1杯、朝食・昼食・夕食に各2杯、食間に1杯ずつ、夜に1杯でコップ10杯2リットル分の水を補給できます。そんなに水分摂取は大変ではありません。食事のときの味噌汁やスープ、休憩のときに飲むココア・紅茶などもカウントに入れることができます。
【上手に水分を摂取するコツ】
・1回100ml~200mlを目安に飲む
・水だけではなく他のドリンクも飲む
・お茶や珈琲は利尿作用があるので注意
・休憩など話しながら少しずつ飲む
必ず飲みたい朝の1杯
朝起きたときに1杯の水を飲むと、胃を刺激すると胃の動きや重みで腸を刺激して腸の働きを活発にします。腸は起床直後と食後に活動が活発になるため、朝起きたときの1杯が排便を促すことになります。
便をスムーズに出すためには水分が必要ですし、腸の動きも大切になります。さらに、人間が1日に必要な水分量を摂取することにもなりますので、朝起きたときの1杯の水はおすすめです。
まとめ
水分を摂ることは、熱中症予防や脱水症状予防にもなります。特に夏時期は寝汗をかきますし、外出するときも汗をかいても水分を摂ることが少ない人もいます。水分摂取量が少なくなれば硬い便になりますので、水を飲むということは大切なことです。
便が硬かったり、便秘という方は水分をしっかりと飲んでいるか確認してみましょう。正常な便に戻すための1つの方法になるはずです。