ランニングでダイエットや体重の減量をするために走り始めた頃は、その効果を実感することができますが、体力が付いてきて、走る時間や距離に慣れてくると体重や体脂肪の減少が少なくなってきます。そのとき、時間や距離を長くしたり、効率的な走り方に変えたり、筋トレを取り入れたりしますが、合わせて心拍数を管理しながら走ることで、よりランニング効果を高めることができます。心拍トレーニングの実践方法・効果的なインターバル走・心拍トレーニング効果を最適にする水分補給の3つについてお伝えします。
心拍トレーニングの実践方法
運動しているときに使われるエネルギー源は糖質と脂質です。激しい運動のときは糖質が多く消費され、それ以外のときは脂質が多く消費されます。ということは、体重や体脂肪を減らしたいときには脂質がより消化される運動をすることが効率的な運動となります。
脂質を多く消費される運動量は、心拍数で管理することができます。脂質の利用率がもっとも高くなるのが、最大心拍数の60~80%のペースで走っているときです。今までと同じ時間や同じ距離を走っていても心拍数を意識することで体脂肪の燃え方が違ってきます。この心拍数を維持することで効率よく脂肪燃焼することができます。
目標心拍数の計算方法
①最大心拍数=220-年齢
②目標心拍数=(最大心拍数-安静時心拍数)×目標強度(60~80%)+安静時心拍数
目標心拍数の年齢別(参考値)
年齢 | 最大 心拍数 |
目標心拍数 60% |
目標心拍数 80% |
安静時 心拍数 |
---|---|---|---|---|
20歳 | 200 | 148 | 174 | 70 |
25歳 | 195 | 145 | 170 | 70 |
30歳 | 190 | 142 | 166 | 70 |
35歳 | 185 | 139 | 162 | 70 |
40歳 | 180 | 136 | 158 | 70 |
45歳 | 175 | 137 | 156 | 80 |
50歳 | 170 | 134 | 152 | 80 |
55歳 | 165 | 135 | 150 | 90 |
60歳 | 160 | 132 | 146 | 90 |
心拍数を取り入れたトレーニングを行なうのに必要なのが心拍計です。心拍計に目標心拍数をセットすれば、心拍数が大きく外れると音で知らせてくれますので、一定した心拍数で走ることができます。
心拍計には種類があり、ストラップを付けてセンサーで心拍数を感知して、腕時計型の本体にワイヤレスでデータを送信するタイプと、胸ストラップが無く腕時計型の本体のみで脈拍数を測り、計測してくれるタイプがあります。また、GPS機能が付いている高性能なものもあり、距離やペースなども一緒に管理することができるタイプもあります。
体力が付いてくると、いつもと同じペースで走っていても心拍数は下がってくるため、ペースを上げたり、坂道を走ったりして心拍数を最大心拍数の60~80%を意識してランニングをすると効果的に脂肪燃焼され引き締め効果をアップできます。
おすすめの心拍計ベスト6
【 アスリートも満足の高機能モデル 】
付属の心拍センサーベルトを胸に巻くことで正確な心拍数のモニタリングができます。Smart CoachingとGPS機能で最適なトレーニングが行えるプロアスリート仕様の高機能モデルです。ポラール V800HR
【 GPSと加速度センサーとともに内蔵 】
薄型軽量化され、付属の心拍センサーベルトで心拍数を精密に計測します。GPSに加えて加速度センサー内蔵だから、衛生受信が難しい環境でもランニングデータを取得しやすいです。ガーミン フォアアスリート220J
【 着地歩数を本体のみで教えてくれる 】
心拍数やペース・ラップ以外に、ランナーに重要なランニングケイデンス(着地歩数)を本体のみで計測してくれる高機能GPSウォッチです。スント AMBIT2 R HR
【 ビル街でも正確なペース把握が可能 】
胸ベルト無しで正確な脈拍計測が可能。GPSチップの性能を高めて周回コースでもビル街でもペースが正しく把握できます。WEBアプリでデータ管理も簡単です。エプソン SF-810B/V
【 自分だけのコーチを胸につけて走ろう 】
リストバンド状のスリムな本体に脈拍計と加速度センサーを備えています。ランニングに特化したアプリと組み合わせ、心拍トレーニングプランを提案してくれます。アディダス miCoach fit smart
【 強度が色でわかる!エントリーモデル 】
手首に巻くだけで時速12kmまでのジョギング時の脈拍数と消費カロリーをリアルタイムに表示します。運動強度を4色の光でわかりやすく知らせるエントリー機能付き。オムロン 脈拍計HR-500U
効果的なインターバル走
心拍計を使った効率的なトレーニング方法として、インターバル走がおすすめです。インターバル走とは、緩急をつけて練習をする方法です。スピードを意識した走りの後に、ゆっくりとしたジョギングを行なうことで身体に負荷を掛け、心肺機能をアップさせる効果があります。心肺機能が上がると、酸素を介して体脂肪を燃焼しやすくなり、停滞していた体脂肪や体重を落としやすくなります。
トレーニング方法は様々ありますが、スピードを意識したハードなランニングを最大心拍数85%、ゆっくりとしたジョギングを最大心拍数50%に設定して繰り返し行ない、4セット反復するやり方がおすすめ。
4セットできっちりと体力を使い切るようなトレーニング方法が望ましいです。最大心拍数85%・・・5分、最大心拍数50%・・・5分で5セットとか6セットできるのであれば負荷が足りないと判断し、最大心拍数50%のインターバルを短くする必要があります。調整しながら、4セットで体力を使い切るインターバルで行なうことが身体を引き締める効果が高くなります。
負荷がとても高いトレーニング方法なので、まずは週1回取り入れるようにして、疲労感をみながら、週2回・3回と増やしたり、1日の回数を増やしたりするといいです。
心拍トレーニング効果を最適にする水分補給
走れば汗をかくので水分補給は欠かせません。特に心拍トレーニングを行なう際には水分補給は必要不可欠です。水分は血液に含まれている水分を汗腺から出して蒸発する力で熱を放出する働きがあり、水分不足になると血液量が減るので、同じ量の血液量を全身に送るのにより多くの力が必要で心拍数が上がります。水分不足だと心拍数が高くなるので、最適な心拍数でのトレーニング効果が得られにくくなります。
走る1時間前程から水分補給を始め、250ml~500mlをこまめに飲むようにします。こまめに飲むのが大切で一気に飲んでしまうと身体に水分が吸収されずに尿として出てしまいます。トレーニング中は15~20分に1回、100mlを飲むようにすることで、脱水症状の前に水分補給ができ、こまめに少量ずつ飲むことで水分が体内に吸収されやすくなります。
汗をかくとナトリウムやミネラルも一緒に体外に出てしまうため、水分補給は水ではなく、ナトリウムやミネラル、エネルギー補給ができるスポーツドリンクがおすすめです。スポーツドリンクでもポカリスエットなどエネルギーが高いものではなく、エネルギーが少ないものを選ぶようにすると脂肪燃焼には向いていると言えます。
まとめ
ランニングをして、走り終わったあとに体重が減ったと喜ぶことがありますが、減った原因は体内の水分が減ったことによる体重減です。そのため、走る前と走り終わった後の体重の減少率は2%以内にしておく必要があります。体重の減少率が2%以上になると脱水症状を引き起こす可能性がありますし、炎天下のときには熱中症の危険性もあります。
例えば、体重60kgの人がランニング後、3kg体重が減ったとなると「3÷60×100=5%」で5%なので、喜んでいる場合ではありません。きちんと水分補給を行なう必要があります。
走る前と後の体重から計算する脱水率は、体重減少量(kg)÷走る前の体重(kg)×100=脱水率(%)となります。