眠ること(睡眠)と起きること(覚醒)は別々のものではなく一連の動作になっています。朝起きてから眠るまでの行動が室の高い睡眠を作り出し、最高のコンディションやパフォーマンスを引き出すことができます。良い睡眠がスッキリした寝起きにつながり、その日のコンディションを最高のものにしてくれるという良い循環を生み出します。でも、毎日ぐっすり眠ることができる人は少ないから、それでも最高のコンディションやパフォーマンスを引き出すための11の方法を紹介します。
目次
寝不足はミスや集中力の欠如につながる
誰もが経験したことがあると思いますが、睡眠不足で翌朝から頭がボーッとしてしまい、集中できないし、考えるのも面倒だし、計算ミスはするし、躓いたりといいことはありません。仕事をしていても生産性が悪いし、資料作成も思うように進まずに時間ばかりが過ぎてしまう。午後3時頃から元気になってきて残業時間になるとバリバリ働き始めるなんていうことも。
そうなると、仕事が終わるのが遅くなり、帰宅時間も遅く、寝るのも遅いという悪循環を繰り返すことになります。仕事は後から後から湧いてきますし、終わりが無いので睡眠時間を減らしてでも仕事をするのは仕方のないことかも知れません。それでも、頭の回転を良くして朝からバリバリ活動することができれば、残業時間も減り、睡眠時間を取ることができますよね。
体を覚醒させてコンディションやパフォーマンスを上げるためのスイッチは2つあります。
光を浴びる
人間の体内時計は、地球の1日の24時間と少しズレていて24.2時間です。この体内時計のズレを修正しないと、ずっと体内時計と地球の時間がズレてしまい寝る時間も起きる時間も、そのままズレていきます。太陽の光を浴びることで体内時計をリセットすることができますので、起きたら朝日を浴びるといいです。
朝・昼・夜は光なしでは訪れません。光があるから朝がきて、夜になると日が沈み光が無くなります。この光はあるから、人間の体温や自律神経・ホルモンなどのリズムが作れて日中は活動的になり、夜は睡眠を迎えるというサイクルができています。
光は、それだけ人間の脳に影響を与えます。太陽光だけではなく、室内の光も同じです。特に夜に部屋の灯りが明るいと脳が覚醒してしまい眠りの妨げになります。朝、光を浴びることで体内時計をリセットする際には、カーテンを開けて光を取り入れるだけでも体内時計はリセットされます。
体温の影響
睡眠時は体温が下がり、起きている覚醒時は体温が上がります。この体温リズムは、なるべく外的要因を受けないようにすることが大切ですが、エアコンなどで部屋を涼しくして快適に過ごせるようになりました。でも、人によってはエアコンで体温が下がり、眠気を誘うということもあります。暑すぎるときは、快適な室温にする必要がありますが、起きているときは、体温を上げることでコンディションもパフォーマンスも上がります。
最高のコンディションやパフォーマンスを引き出すための11の方法
上記で紹介した「光を浴びる」ことと、「体温の影響」が起きるときには大切なことです。そして、1日の行動を朝から順番に行うことで夜の睡眠の質を高めることができ、翌日のコンディションやパフォーマンスも上げることができます。
目覚まし時計は2回鳴らす
目覚まし時計は大音量で鳴らすことで強制的に目覚めさせるという方法で起きています。でも、この方法だと強制的に目覚めているので寝起きが悪くなるし、目覚めがよくありません。目覚めるためには、レム睡眠のときに起きると目覚めが良くなります。
寝ているときは、ノンレム睡眠とレム睡眠が約90分間隔で波がきます。でも、人によっては誤差があるので必ずしも90分という時間にしばられてしまうと目覚めが良くない状態になってしまいます。とは言え、朝方になるとノンレム睡眠の睡眠の深さが徐々に浅くなりレム睡眠の時間が長くなってくるので90分間隔を気にしすぎることはないと思います。
起きないと行けない時間の20分前に1回目のアラームを鳴らします。このとき、音は小さめにします。1回目のアラームで起きれるときはレム睡眠で目覚める準備ができている状態なのでスッキリと起きることができます。また、1回目で起きれなくても2回目のアラームは音量を大きくして目覚められるようにします。1回目で起きれなくても2回目の20分後はよりレム睡眠に近い状態になっているので寝起きが良くなります。
太陽の光を浴びる
体を覚醒させてコンディションやパフォーマンスを上げるためのスイッチの1つでもある光を浴びるということです。光を浴びることで睡眠を誘発するメラトニンの分泌を抑制することができます。太陽の光の当たるだけでメラトニンの分泌を抑えることができ眠気を取り除き、覚醒させることができます。
朝は裸足で過ごす
朝、起きたときにスリッパで生活するのではなく裸足で生活することで目覚めを良くします。これには理由があり、上行性網様体という脳にある部分を刺激することで覚醒するというのです。難しい話はよく分かりませんが裸足で過ごすことで、下記の2つのことで目覚めが良くなる効果があります。
・足裏の皮膚を刺激して上行性網様体を刺激する
・床の温度を感じて深部体温と皮膚体温の差を広げる
特に寒くなる冬は、スリッパや靴下を履いて朝は生活することがありますが、寝起きは素足で生活し、床の冷たさを感じることで覚醒を促します。
手を水につける
朝起きたら水で顔を洗いますよね。これも目覚めさせるために良い方法です。顔を洗うことではなく冷たい水に手をつけることが覚醒させるのにいいのです。
なぜなら、手のひらにはたくさんの毛細血管が集まっているため感度が良く、冷たい水を触るとその温度を感じやすくなり、皮膚温度が下がりやすくなります。皮膚温度が下がると深部体温との差が開くため覚醒します。そのため、頭がボ~ッとしているときには朝シャンはシャッキっとするためには良い方法だと言えます
朝食はよく噛む
朝起きてから家を出るまでの時間が短く、コーヒーだけとか朝食を食べないという人も多いと思いますが朝食は食べたほうが1日を活動的に過ごすことが出来ます。朝食は、温かい汁物と歯応えのある食べ物を食べるとで一石二鳥の効果をもたらしてくれます。
・温かい汁物は体を温めて活動的にする
・よく噛む(咀嚼する)ことで脳に刺激が伝わり眠りから覚める
という働きがあります。
さらに、朝食を食べることで「体内時計をリセットできる」ことと「肥満防止効果」が期待できます。
朝活は激しい運動をしない
朝活として体を動かしてから出勤する人も多いと思いますし、ジョギングして汗をかいてからシャワーを浴びてサッパリしてから出勤する人もいると思います。汗をかくほど、激しい運動をすると体温が上がります。体を活動的にするためには体温を上げる必要がありますが、激しい運動で急激に体温を上げると急激に体温を下げようとして、日中の活動に影響を与える可能性があります。疲れや疲労だけではなく、睡眠環境を作る体温の動きになるので最高のコンディションやパフォーマンスを出すことが難しくなります。
朝に運動をするのであれば「激しくない」そして「汗をかかない」程度の運動にすることがポイントです。例えば、ウォーキングやお散歩程度にしておくといいです。
カフェインを摂取する
カフェインには、強力な覚醒作用があります。このカフェインには利尿作用や興奮作用・強心作用・筋弛緩作用などの働きがあり、精神的・身体的にも高め、疲労を和らげたり、眠気を覚ます働きがあります。でも、カフェインを大量に摂取すると不整脈や不眠などの問題が起こることがありますので、カフェインは適量の摂取にすることが大切です。
カフェインの適量は1日400mg
コーヒー1杯にはカフェインが約100mg程度が含まれているので、1日4杯程度を飲むのが良いことになります。これは、2015年に欧州食品安全機関(EFSA)が発表しています。
覚醒させるのにカフェインはいいですが、逆を言えば、睡眠には向いていないことになります。カフェインの効果は長時間持続し、カフェイン濃度は4時間後に半分になります。そのため、夜にカフェインを摂取すると眠れなくなるので、コーヒーなどを飲むのであれば夕方頃までにするといいです。
午前中に重要なこと、午後は単調なことをする
仕事をする上で、進め方は人それぞれかも知れませんが、脳の働き方を参考にして仕事を進めることができるのであれば、午前と午後では仕事内容を下記のように決めると効率がいいです。
午前中は頭を使う仕事を中心にする。
売上や利益などの重要会議、重要なことを決めないといけない仕事など、集中力や頭をフル回転させて考えないといけないことを午前中に行ないます。これは、午前中のほうが脳も体もコンディションがよく、パフォーマンスが高いからです。
午後からは頭をあまり使わない仕事をする。
事務作業や定例会議、ルーチンとして行うような仕事、調べ物などは午後にするといいです。これは、午後になると集中力が欠けてきますし、眠気が襲ってくることもあります。簡単な仕事にシフトすることで、パフォーマンスが落ちた脳にあった仕事内容にすることでミスなどを最小限にすることができます。
夕食を食べる
ダイエットや仕事が忙しくて食べる時間がなく、帰宅時間も遅いから食べないでベッドやお布団に入ってしまうことがあります。夕食を抜くことは睡眠に影響を及ぼします。
お腹が空いて眠れなという経験をしたことがあると思います。夕食を食べないと覚醒物質が分泌されるため、眠れなくなるし、食欲も増してしまい悪循環になってしまいます。それに、交感神経が優位になり活動的になるから余計に眠れなくなります。
睡眠にも健康にも夕食をしっかりと食べたほうがいいです。ただ、寝る直前に食べると消化されないので翌日に疲れを引きずることになってしまいます。
眠る前に冷たいモノを食べる
眠れないときではなく、眠る前に冷やした野菜を食べると深部体温を下げる効果が期待でき、ぐっすりと眠ることができます。
中でも、体を冷やす効果がある野菜としては、トマトやキュウリが代表的なものです。他にもレタスやキャベツなどもありますが、手軽に食べられるトマトやキュウリを冷やして食べると入眠しやすいです。
適量のアルコールを飲む
ワイン・ビール・日本酒・焼酎などのアルコールを飲むことで寝付きが良くなります。アルコールには入眠作用があるので適量の摂取であれば、睡眠導入剤と同じ働きがあります。適量と言っても、個人差が大きいため具体的には日本酒1~1.5合という指標が目安となっていますが、アルコールは少量で睡眠導入剤並の成分があります。
飲み過ぎると、利尿作用で眠っても途中で何度も起きてしまうことがありますし、脱水症状を引き起こすこともあります。二日酔いで翌日のコンディションもパフォーマンスも最悪になってしまいます。
まとめ
朝起きたときの眠気を取り除き最高のコンディションにすることは、朝起きたときにすることだけではありません。眠り方も翌朝の目覚めを左右します。充分な睡眠時間を取ることが大切ですが、忙しいときもあります。その忙しいときでも、1日にコンディションやパフォーマンス上げるための方法として試して見て下さい。