高血圧になる原因には、原因が分からない本能性高血圧と原因が分かっている二次性高血圧があります。
二次性高血圧の場合は、原因が分かります。
高血圧を引き起こしている病気について確認してみます。
病気が原因の高血圧は病気を治療すれば高血圧も治る
二次性高血圧とは、病気が原因で引き起こる高血圧のことです。
高血圧の人の中で5~10%の人たちが二次性高血圧で、年齢でみると、35歳以下の若い人がなりやすく、4人に1人が二次性高血圧とされています。
二次性高血圧は原因となっている病気を治療することで、高血圧も改善することができます。
腎実質性高血圧 | 腎血管性高血圧 |
腎炎 急性糸球体腎炎 慢性糸球体腎炎 腎盂腎炎 多発性腎嚢胞など |
腎臓の動脈硬化 線維筋性異形成 大動脈炎症候群 血栓症 塞栓症など |
二次性高血圧で最も多いのが「腎性高血圧」と「腎血管性高血圧」
「腎性高血圧」で血圧が上がるのは、腎臓の障害により、ナトリウムや水分の排泄が障害されて、血液の循環量が増えます。
腎血管性高血圧は、腎臓に血液を運ぶ腎動脈に動脈硬化が起きたり、筋線維などが増殖したりして血管の内腔が狭くなって血圧が高くなります。
腎臓以外の病気が原因で起こる高血圧
内分泌性高血圧 |
原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、甲状腺機能亢進症など |
大血管疾患による高血圧 |
大動脈弁閉鎖不全症、大動脈炎症候群、大動脈縮窄症など |
その他の二次性高血圧 |
脳血管障害、脳腫瘍、脳炎、脳の外傷、妊娠高血圧症候群 |
内分泌性高血圧は、副腎皮質や副腎髄質から分泌されるホルモンの異常によって起こる高血圧です。
代表的なものでは、原発性アルドステロン症、副腎皮質の良性腫瘍、クッシング症候群などがあります。
大血管疾患による高血圧にもいくつかの病気があり、大動脈弁閉鎖不全症、大動脈炎症候群などがあります。
ステロイドなどの薬剤の副作用で高血圧が引き起こるということが報告されています。
二次性高血圧の原因疾患と所見
原因疾患 | 示唆する所見 | 既往病など |
二次性高血圧 一般 |
重症高血圧 治療抵抗性高血圧 急激な発症 若年での発症 |
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腎実質性 高血圧 |
タンパク尿が出る 血尿が出る 腎機能が低下する |
腎臓の病気がある人が多い |
腎血管性 高血圧 |
腎サイズの左右差 腹部血管に雑音がある 低カリウム血症 |
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原発性アルド ステロン症 |
低カリウム血症 副腎偶発腫瘍 |
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クッシング 症候群 |
中心性肥満 満月様顔貌 皮膚線条 |
血糖値が高い人に多い |
褐色細胞腫 | 発作性・動揺性の高血圧がある 動悸、頭痛、発汗 |
なんか難しい言葉ばかりでチンプンカンプン。でも、病気や症状に思い当たることがあり、高血圧なら原因がはっきりと分かりそうですね。
二次性高血圧ではない人は、本能性高血圧ですので、本能性高血圧の記事を読んで下さい。