腰から下が冷える冷え性は、低体温型冷え性と言われ直腸などの内蔵温度=深部体温が低いことが原因です。手足の先端の冷え性は表面体温が下がることが原因なので、冷え性が起こる原因が全く違います。腰から下が冷える冷え性の見極め方や原因、改善するための4つの対策についてお伝えします。
目次
腰から下が冷える冷え性の見極め方と原因
腰から下が冷える冷え性は、普通に体温を計っても36.5度~37度のことが多く分かりにくいですが、見極めるための方法として
・朝の体温を測ると低い
・お腹の上下に手を当てると、上の手(上腹部)のほうが冷たい
の2つがあります。
腰から下が冷える冷え性は、内蔵温度が低くなっています。内臓の温度は通常37.2度~38度が理想的ですが、35度台の人が多いです。
内蔵温度が1℃~2℃低いということは、内臓機能や免疫力が低下し、太りやすい身体になりやすいです。というのも、内蔵温度が1度下がると基礎代謝が12~15%低下すると言われています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」から1日に必要な消費カロリーから内蔵温度が下がったことによる基礎代謝低下分を差し引いくとどうなるのか30~40代で計算してみました。
項目 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
必要カロリー/日 | 1,530kcal | 1,150kcal |
内蔵温度1度低下 | 183kcal ~ 229kcal |
133kcal ~ 172kcal |
1日に必要なカロリーに対して、基礎代謝が低下していると男性でおにぎり1個分(183kcal~229kcal)、女性でおまんじゅう1個分(133kcal~172kcal)が毎日蓄積されてしまうことになります。蓄積されるとダイエットしても痩せない原因にもなります。
内蔵温度1度下がると、低体温になり、血管が収縮して血液循環が悪くなります。さらに、免疫力が約30%低下するため、風邪を引いても治りにくかったり、怪我をしたときの傷も治りにくかったり、花粉症やじんましんなどのアレルギー症状が現れたりすることがあります。胃腸の働きが悪く胃もたれしやすい、肌の色が黒ずんできたり、風邪を引きやすくなったりします。これは、内臓の老化現象とも言えます。
腰から下が冷える冷え性の原因は、生活習慣の乱れ、食生活の偏り、内臓を支える筋力の低下などが考えられますので、今すぐからでもできる対策法で改善することができますので、4つ紹介します。
腰から下が冷える冷え性を改善する4つの対策
腰から下が冷える冷え性、低体温型冷え性の原因は主に3つあります。
1.生活習慣の乱れ
2.食生活の偏り
3.内蔵を支える筋力の低下
これらの原因を改善するため、内臓を支える深層の筋力アップを行ない下腹部のうっ血を取り除き血行改善をする「インナーマッスルを鍛える」ことと、食生活の改善をすることで内蔵を冷えから守り、しっかりと「内蔵まわりを温める」対策を4つお伝えします。
腹圧をアップさせるストレッチ
腰から下が冷える冷え性の確認方法として、お腹の上下に手を当てて、上の手(上腹部)のほうが冷たいときは内臓温度が低下しています。上腹部には、胃や肝臓、小腸や大腸などの臓器がたくさんあり温かく、下腹部が冷たいのが通常ですが、下腹部のほうが温かいときには血流が悪くなっている状態です。
改善するためには、インナーマッスルを鍛えること。腹横筋や腹斜筋、脊椎起立筋が腹圧を保つのに必要な筋肉で、この筋力が低下すると上腹部にある内臓が下がってきて血流を悪くするため、インナーマッスルを鍛えることで元の位置に戻すためのストレッチが効果的です。
【椅子に座ったままストレッチ】
椅子に浅く座り、右膝を上げて左肘を膝に近づけます。次に左膝を上げて右肘を膝に近づけます。これを交互に20回繰り返します。背筋は猫背にならないよに伸ばして行ないます。
【脇腹の筋肉を鍛える】
両足を肩幅に広げて立ち、両腕は方の高さで左右に真っ直ぐに伸ばします。
顔は真っ直ぐに前を向いたまま、ゆっくりとひねり、ひねりきったところで5秒ストップし、逆側にもひねり5秒ストップします。5往復繰り返します。腹斜筋を鍛えるストレッチになります。
【おじぎだけのシンプル体操】
まっすぐに立った状態から腰を90℃曲げておじぎを20回繰り返します。できれば、足は開かずに両足をつけたままのほうがいいですが、きついときは両足を肩幅に開いてするといいです。シンプルな動きですが、腹圧がアップし血流が改善されます。
野菜は温野菜を食べる
健康のために生野菜を食べることはいいことですが、低体温型冷え性の人にとっては、内蔵をさらに冷やすことになってしまいます。内蔵温度が低い人が生野菜を食べると内蔵の体温がさらに低下し機能低下を起こし、消化不良になり、太りやすくなってしまいます。スムージーを取り入れている人も要注意ですので、野菜の食べ方を変えたほうがいいです。
野菜を食べるときは、温野菜にして食べるようにします。野菜の中でも身体を温める効果がある野菜を積極的に食べるようにするといいです。
大根・人参・ごぼう・かぼちゃ・しょうが・ブロッコリー・白菜・ねぎ・にんにくの芽など
冷たい飲み物を控える
暑い夏の日は、冷たい飲み物を飲みたくなりますが、冷え性の人は、内臓を冷やす冷たい飲み物は控えたほうがいいです。
・氷が入っている飲み物
・冷蔵庫でキンキンに冷やした飲み物
・コーヒーや乳製品などの身体を冷やす作用がある飲み物
暑いときのアイスコーヒーは美味しいですが、冷え性の人は量を減らしたり、氷抜きで飲んだりするようにしましょう。
逆に身体を温める飲み物には、紅茶・ほうじ茶・烏龍茶・シナモンティ・ショウガ湯・黒豆茶などがありますので、これらの飲み物も取り入れるようにすると冷え性改善になります。
冷たい飲み物を飲んだあとにケア方法
付き合いなどで飲み会に参加して、キンキンに冷えたビールを飲む機会も増えます。飲み会に行けば2時間や3時間、ずっと冷たいものを飲んでいるので内蔵もそれなりに冷えます。検証によると内蔵温度が4℃も下がっていたという結果があります。冷えきってしまった内蔵をケアするためには、飲んだ最後、シメにお茶漬けや味噌汁、ショウガ湯、温かいお茶を飲んで内蔵の温度を少しでも上げるようにします。
「ラーメンを食べるからそれでいいね」と思うかも知れませんが、ラーメンには糖質が多いので血液がドロドロになってしまい、血行が悪くなるので冷え性がひどくなったり、胃もたれの原因になったりします。
まとめ
腰から下が冷える冷え性=低体温型冷え性には、隠れ冷え性の人が多くいると言われています。自分では気づいてないというケースです。見極め方を2つ紹介しましたが、ダイエットをしても痩せないとか、リバウンドしやすいという人も可能性があります。
冷え性になる冷たい飲み物の取り過ぎや血流の悪化は、夏バテになる原因でもあるため、体調管理という面からも食事内容や生活習慣に気をつけるようにしましょう。