お肌の紫外線対策をしていても目に紫外線が入ると日焼けしてしまうことがあります。目から入った紫外線が脳に指令を出してメラニンが生成されることで肌が黒く日焼けしたようになります。顔や腕の紫外線対策はしっかりしていても、つい忘れがちなのが目です。紫外線と目の関係とは、どんなものかを知って紫外線が強くなる季節を乗り越えたるためにも、目に良いとされる栄養素を取り入れて、目に優しい紫外線対策を始めましょう。
紫外線が目に与える影響
紫外線がお肌にあたるとシミやしわ、そばかすの原因になります。その紫外線が目に入ると、白内障や雪目のような急性の角膜炎の原因になることがあります。目は紫外線に極端に弱いわけではなく、目のレンズ部分の水晶体が多少の紫外線を防いでくれる機能があります。かといって浴び過ぎてしまえば炎症を起こしたりしますので注意が必要です。
水晶体に紫外線があたり蓄積していくと白く濁り白内障となります。その日に浴びた紫外線量ではなく、長年の積み重ねた量が問題になってきますので、日頃の紫外線対策が年齢を重ねてもクリアな視界を保つことにつながっていきます。
目に与える紫外線を、体内と体外から守るために5つの目の栄養素と5つの紫外線対策グッズについてお伝えします。
目の紫外線対策に効く5つの栄養素
紫外線が目に与える影響としては白内障や角膜炎などがありますが、日常生活をしている上でのリスクは少ないと言われています。これは日々の食事の中で、目を活性化させたり、視神経の働きを活発にしたり、視力低下・眼精疲労を予防・軽減したりする栄養素を摂取することで、目の健康を維持しているためです、
目へのダメージ大きく、日々の修復が追い付かずにダメージが蓄積されてしまうと、目の病をいずれ引き起こしてしまう可能性があります。それを予防するために体内からケアすることができる5つの栄養素についてまとめました。
ルテイン
ルテインとは緑黄色野菜などに入っているカロテノイドという色素の一つです。加齢黄斑変性という目の病気や、青い光(ブルーライト)や紫外線が目に入ると活性酸素を発生させ、ルテインが不足すると目の病気になりやすいと言われています。
ルテインは抗酸化作用がある成分で、目の網膜や水晶体に多く存在していて、外部からの刺激や紫外線などから目を守る働きがあります。ルテインは体内で作り出すことのできない栄養素なので、食事やサプリメントで摂取する必要があります。
ルテインが多く含まれる食品はホウレンソウやブロッコリー、ケール、カボチャなどの緑黄色野菜に多く含まれています。果物ではブルーベリーやカシスに含まれています。油と一緒に摂ると効果が薄れますのでそのまま食べるのが良いです。ケールが含まれる青汁なんかも良いですね。
ビタミン
目に良いビタミンと言われるのがビタミンAとビタミンBです。
ビタミンAはドライアイの予防に良いですし、角膜や網膜を正常に保つ効果がありますが、不足すると夜盲症(暗い場所だと視覚が低下する)になることもあります。多く含まれる食品は緑黄色野菜やウナギやレバー、卵黄などです。
ビタミンB群では、ビタミンB1は視神経の炎症予防や目の疲労軽減、ビタミンB2は目の粘膜の修復などに効果があり、ビタミンB6は水晶体の代謝を高める働きがあります。他にもビタミンB群は目にとってよい働きをし、豚肉、玄米、卵、納豆、マグロ、レバーなどに含まれています。
ビタミンCは白内障を予防し、水晶体を透明にする機能があり、さつまいも、キャベツ、イチゴ、オレンジ、キウイなどに含まれています。
ビタミンEは抗酸化作用があり、目の老化を防ぎ、すじこ、いくら、あゆ、たらこ、めんたいこ、アーモンド、抹茶などに含まれています。
目に良いとされるビタミンは緑黄色野菜に多く含まれています。他には納豆にもビタミンA、B群が含まれています。納豆が苦手な方にはヨーグルトでもビタミンを摂取することができます。
ミネラル
ミネラルは、人の体内では作れないので食べ物から摂取する必要があります。ミネラルは少なすぎても、多すぎても健康には良くないので丁度良い量を摂取する必要があります。ミネラルといわれてもミネラルウォーターしか思い浮かばないのは私だけでしょうか。
ミネラルというよりナトリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛といった方がイメージは付きやすいです。現代人に不足しやすいものはカルシウム、鉄で、摂り過ぎているのはナトリウム(塩分)しょうゆなどの調味料にも含まれていますので手軽に取れますから意識して摂取する必要はありません。カルシウムは乳製品や海藻、大豆製品に含まれ、鉄は海藻類、貝、レバーなどに含まれます。
ミネラルを簡単に摂るのにおすすめなのは煮干しを粉末にした「ふりかけ」をご飯などに混ぜたりして食べると簡単に摂取でき、お魚が苦手な方にはゴマや大豆製品で補うといいです。
アスタキサンチン
ビタミンCの6000倍もの抗酸化作用があると言われるアスタキサンチンです。あまり聞きなれないですが、眼精疲労を緩和させる効果があります。目は神経が脳とつながっている重要な器官です。その目にたどりつける栄養素は数少ないといわれています。末端まで届くアスタキサンチンは目に直接効くことのできる数少ない物質です。
目は紫外線を直接浴びてしまうので、目の中には活性酸素が発生しています。この活性酸素を取り除いてくれるアスタキサンチンを含む食べ物を積極的に取り入れることで活性酸素を減らすことができます。アスタキサンチンは赤い天然の色素です。サケやいくらの赤もアスタキサンチンです。カニやエビにも含まれています。脂溶性なので油と一緒に食べると吸収が良くなります。
アントシアニン
目の様々な働きに効くブルーベリーに含まれているアントシアニンは、目の健康を保つために必要な栄養素です。細胞の再生・修復、目の毛細血管を強化し血流を保ち、コラーゲンの生成を促しドライアイを予防する作用など、目に関わりが深い栄養素の1つです。
アントシアニンは皮に多く含まれています。
目の紫外線対策に効く5つのグッズ
目への紫外線を身体の外側で防ぐ5つのグッズがあります。肌への影響だけではなく、目にも影響がありますので、紫外線量が多いときには、目に入る紫外線量を極力少なくしておく必要があります。
目に入る紫外線を防ぐ5つのグッズについてまとめています。
日傘をさす
紫外線は太陽光線の中にもあります。頭上から降り注ぐ紫外線をよけるのに日傘を差すことで防ぐことができます。目に紫外線が入ると脳が紫外線に対応するためにメラニンを出せと命令して、日焼け止めをしていないのに日焼けしてしまうことがあり、UVクリームを塗っていても意味がありません。そうならないためにも目への紫外線対策をしっかりとする必要があります。
日傘は、紫外線カット率が記載されているものがよいです。レースの布で穴が開いているものはかわいいですが、穴から紫外線が入り込むのでしっかりとした生地のものを選びましょう。黒い色のほうが紫外線をカットしてくれますので、UVカット加工された物でしたらどの色でも大丈夫なのでおしゃれも楽しめます。
帽子をかぶる
目を防御するにはニット帽のようなつばの無い物より、キャップのようにつばのあるものの方が有効です。キャップだと前にしかつばが無いので首の後ろが焼けそうですので、おすすめは全周囲につばのついた帽子です。つばの長さは7cm以上あると大幅に紫外線量を防ぐことができるという実験結果があります。直接太陽を浴びるのと帽子をかぶるのとでは20%以上も紫外線の量が違います。
紫外線が強くなる季節には欠かせない帽子にも、紫外線カット率が表記されています。薄い布や向こうが透けて見えるストローハットは涼しいですが紫外線を通してしまうので紫外線カット率が高いものを選ぶのが無難です。建物の中に入ったときには、邪魔になってしまいがちな帽子も折りたためるものなら鞄にすっぽりと入って邪魔になりません。
UVカットメガネをかける
オーストラリアやニュージーランドでは紫外線対策が進んでいて、紫外線による角膜炎や白内障の予防のため、UVカット加工されたメガネをかけることを推奨しています。日本ではそこまで進んでいないようですが、目の病気は怖いですし、UVカット加工されたメガネをかけて予防するようにします。
顔にフィットしていないメガネだと横からの光は防げません。隙間から入ってくる紫外線はコロネオ現象で普段よりも強くダメージを与えてしまうことがあります。コロネオ現象は耳側から紫外線が入り込み角膜で光が折れ曲がり、鼻側に紫外線が集中してしまう現象です。これが起きないようにメガネは顔にフィットするものが望ましいです。メガネだけで防ぐのではなく、帽子や日傘で複合的に目を守ると安心できます。
紫外線が目に入らないようにするのにはサングラスも効果があります。サングラスの選び方は紫外線透過率や紫外線カット率が記載されているUVカット加工されたサングラスを選ぶようにします。紫外線透過率はそのレンズが紫外線をどのくらい通すのかを示したもので数字が小さい方が紫外線を通しません。紫外線カット率は紫外線をどのくらい通さないのかを示した数字で大きい数字の方が紫外線を通さないという意味になります。
サングラスをかけても横から入ってくる紫外線もあるので大きめのレンズや顔に密着したゴーグル型が理想です。帽子と併用することによっても紫外線を防ぐ効果は上がります。レンズの色は濃い色ですと瞳孔が開いて目に多くの紫外線を入れてしまうことになります。紫外線透過率の少ないものを選ぶか、色の薄いレンズを選ぶのが良いす。濃いレンズの方が紫外線を防いでくれそうですが、紫外線カット加工がされていない濃い色のサングラスでは目を傷める可能性があるので注意が必要です。
目のケアをする
強い紫外線を浴びると目が充血したり、目が痛くなることがあります。そんなときは目を閉じてゆっくり休ませることが有効です。涙は乾燥を防ぐだけではなく殺菌作用があったり、傷を治したりと優秀な機能を持っています。ゆっくり目を閉じ、目に冷たいタオル等をあてて休むのが良いです。10分から20分くらいで大分楽になってきます。冷やすことによって炎症を抑えることができます。
他にはUV目薬というものが市販されています。紫外線によって傷ついた目の炎症を抑える成分や角膜を保護する成分が入っています。紫外線によって炎症が起き、充血や痛みが発生しているときは、目をこすってしまうと目を傷つけてしまうことがあるので気を付けるようにしましょう。
日陰に入る
完全に防げるわけではありませんが、日陰に入ることによって紫外線は50%程度防げるようになります。日陰を選んで歩くだけでも、目に紫外線が入るのを多少は防げます。一番簡単な紫外線対策ですね。木陰に入るとどのくらい紫外線が防げたかの実験結果があり、木に近づくほど紫外線はカットされていきます。
太陽から直接来る紫外線はかなりカットできるという結果ですが、散乱している紫外線は日向と同じ量が測定されています。日陰だからと安心はできませんが、日向を歩くよりは紫外線を浴びる量は減らすことができます。サングラスや帽子などを使用して目を紫外線から守りながら、日陰を歩いたりする工夫をするといいと思います。
まとめ
目に入ってくる紫外線を物理的に防ぐグッズやアイテムを使うだけではなく、身体の中から目の健康を維持することも大切になります。紫外線の肌への影響だけではなく、目への影響もあるため注意したいです。すぐに症状が現れるものではなく、年齢を重ねるごとに症状が現れるのが特徴ですので、若いころに紫外線対策をしないままでいると、30歳や40歳と重ねると現れてきますので、若い頃からのケアが大切です。