食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。水溶性と不溶性なので水に溶けるか、溶けないかということですね。便秘の人は不溶性食物繊維が多い野菜などを食べるとさらに便秘がひどくなることがあります。それは、水に溶けないので便の量が増してしまい排便しにくい状況を作ってしまうからです。そのため、便秘のときは水溶性食物繊維が多く含まれる食材を食べたほうがお通じにつながりやすいのです。野菜など生の食品の中で水溶性食物繊維がダントツに多いのはらっきょうです。
目次
食物繊維が多い食材に含まれている水溶性食物繊維の量
野菜などの生の食品に含まれる食物繊維を水溶性と不溶性に分けたグラフです。100g当たりの食物繊維の含有量も違いますが、水色部分の水溶性食物繊維の量がらっきょうは格段に違うのが分かります。ごぼうやエシャロットも食物繊維が多い食べ物として知られていますが、ごぼうの8倍以上、エシャロットの2倍近く水溶性食物繊維が含まれています。
この水溶性食物繊維が便秘解消につながる食べ物になります。
水溶性食物繊維の健康効果
水溶性食物繊維は、腸の中で硬くなって詰まっている便を柔らかくして排便を促す働きがあります。そのほかにも食物繊維は、腸内細菌のエサになるので善玉菌を増やし腸内環境のバランスを整えてくれ、便秘解消に効果が期待できます。
フルクタンが健康効果に良い
らっきょうの栄養成分の中に「フルクタン」が含まれています。
このフルクタンとは、フルクトース(果糖)の重合により生じた多糖類の総称で食物繊維の一種です。脂質が体内に吸収されるのを防いだり、便のニオイを減少させたりと嬉しい効果があります。
【フルクタンの健康効果】
・中性脂肪とコレステロールを下げる
・便のニオイを軽減させる
・血糖値の上昇やインスリンの分泌量を抑える
・整腸作用により下痢や便秘に効果がある
・骨を強くするので骨粗しょう症予防になる
という健康効果が期待できます。
アリシンが疲労回復に良い
らっきょうには独特なニオイがありますよね。あのニオイの正体は「硫化アリル類」という物質です。その一種である「アリシン」という栄養が含まれています。
このアリシンは、ビタミンB1の吸収を高めてくれる働きがあり疲労回復に効果があります。また、食欲増進の働きがありますし、ビタミンB1が豊富に含まれている豚肉を使ったカレーとの相性がいいです。夏バテで食欲が落ちているときに豚肉入りカレーとらっきょうで夏バテ予防にもなります。
【アリシンの健康効果】
・疲労回復効果
・抗菌・殺菌効果
・血糖値の上昇を抑える
・コレステロール値の抑制
・動脈硬化予防
・食欲増進効果
・新陳代謝の促進
・活性酸素を除去する抗酸化作用
という健康効果が期待できます。
ジアリルスルフィドが動脈硬化に良い
らっきょうの栄養素に含まれるジアリルスルフィドという成分は、硫化化合物の一種です。ピロリ菌を退治するフラボノイドや、抗酸化作用のサポニンなどの成分が含まれていてガンの予防と抑制に効果があるとされています。また、解毒作用や活性酸素を取り除く働きもあり、血液をサラサラにしてくれます。
【ジアリルスルフィドの健康効果】
・解毒作用
・抗がん作用
・抗菌殺菌作用
・抗酸化作用
・脂肪退社促進
・コレステロール値の低下
という健康効果が期待できます。
らっきょうを1日に食べる目安
らっきょうを食べ過ぎると胃粘膜を刺激するので、胃もたれをすることがあります。これは、誰もがそうなるという訳ではありません。中にはらっきょうの食べ過ぎで下痢になるという方もいるようです。特に胃が弱い人は注意したほうがいいですね。
1日にらっきょうを食べる個数の目安としては小さいらっきょうで10粒、大きならっきょうなら3粒食べることで免疫力アップの効果が期待できます。
らっきょうの実は食べるけど汁は捨ててしまうという人が多いと思いますが、汁にはフルクタンが溶け込んでいるので、酢の物に再利用したり、カレーに入れたりして食べるといいです。
まとめ
フルクタンという成分が注目を集めていて、食パンやドレッシング、飲み物などにフルクタン入りというものを見掛けるようになりました。それだけ、研究が進み体に良い働きをしてくれるということが分かってきたということでしょうね。
もちろん、便秘解消よい食物繊維が豊富に含まれていますので、らっきょうで便秘を治すことも期待できます。
ただし、ニオイがダメとか、食感がダメという人もいますね。そんな方は、他の食材で便秘解消していくといいです。